母の気持ち

2006年9月27日 第1章
"私がいなくなれば、全て終わるのにね"

母はたまにこんな事を真面目な顔で言う。

数ヶ月前まではその言葉を聞く度に本気で怒っていた。
「なんてこと言ってるんだ!!」と。

しかし最近はそういえなくなってきた。
なぜか。
俺が同じ立場でも同じことを言うと悟ったからである。

バドミントンで後輩に暴言を吐く先輩がいた。
先輩といっても私にとっては後輩なのですが。

そこでコソっと注意した。
人目のつかぬところで、冷静に。
ただ、この一件で俺がバトミントンにいれなくなることも
覚悟の上だった。
暴言をはかれる後輩の顔を見るとそれぐらい屁でもないか
と思ったのである。

母とは規模が違うが、考え方は同じ。

だから怒る事ができなくなった。
そしてその言葉は今日も口から出ている。

残された時間を楽しむために使って欲しい。
そんな息子たちの願いを父はぶち壊した。

言うなれば母の死が明確になったと同時に、司令塔を
失ったのだ、われわれ息子は。
それで、後から戻ってきてその司令塔の位置につこうとする。
社会では通用するはずがない。
自らその役割を捨てそして戻ってくるなりその役割を担う?
ふざけないで。

そして今日も母に恐怖を与え続けている。

母のロウソクの長さは後どのくらいなのだろう。
それを短くする父は何なのだろう。

「俺が守るって誓ったから」

口ではどうでも言えるんですよ。
実際何から守っているの?
「へんな男どもから」

馬鹿としか言いようがなかった。精神的に守ってくれた?
あなたは守るべき力で攻撃しているのだ。

「俺と対等と勘違いしていないか?」

あなたが強いと言う事は私も十分認識している。

なのに、力がない者に何かを求める。普通逆じゃないか?
そして力なき者を攻撃する。それが夫のすることなのか?

母はすっかりおびえてしまっている。そんな母を守る事の
できない自分がほんとに悔しくて悔しくてやりきれない。

まだまだ私は精神的に強くならなければ大切な人を守れない。

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