望まれぬ命

2007年3月5日 第1章
過酷な運命といいましょうか、なんといいましょうか。

父親が脳内出血のため今日倒れました。

以前母もなったので状況はわかります。
脳内部の血管が破れ、脳内にもれます。
そのあと固まってしまいます。
そのため脳を圧迫し、障害が出ます。

右の脳に出血が見られ、左半分が麻痺。
私が病院に駆けつけたときは集中治療室
で、寝ていた。
言語能力は左の脳なので会話はできる。
しかし右の脳には覚醒能力があり、
その部分に障害が出ている。
つまり・・・意識が飛ぶということ。

あれほど激戦を繰り広げた父。
その父も今は小さなベッドで器具をいっぱい付けられている。
なんだろう。声をかけなければならないのに、
何も出てこない。

"親父、きたよ"

この言葉も出てこない。体を触ろうとも思わない。
これが・・・私の本音だろう。
もう・・・父親と見れていない。

そんで午後から手術。
手術に入る前、
"お父さん、がんばって!!"
例え、意識がなくともこの言葉をかけなければならない。
家族ならね。
その言葉すら出てこない。言おうとしない。
私は冷酷になってしまっている。
先生も
"どうか、どうか助けてやってください!!"
と言われれば、やる気になるだろう。
しかし、誰もそれを言わない。
密かに
"このまま・・・・"
って思っているんです、私たちは。
先生もやる気起きなかったでしょうね。
望まれぬ命をどうして助けなければならないのか。

そして、父が死ぬことを望む私たち。
人として、正しいのかわからない。
だけど、それを密かに望んでいた。

"生きると死ぬどちらを望んでいるのですか?"

そう聞かれたとしたら、半分半分と言うだろう。
人として生きることを、
経験として死ぬことを同時に望んでいる。

複雑だ。。。

手術は無事終了。出血による血しょうをすべて取ったそうだ。
後は明日のCTで脳がどうなっているか、
障害がどの程度残るかと言う説明がある。

手術後面会することができた。
・・・声をかけることもしないし、
触ることもしない。
そうしない自分がまた不思議でたまらない。
でもそうしない。。。。

先生いわく
必ず障害が出てしまうだとさ。

この後の問題として誰が世話をするかが焦点になってくる。
父親の家族か私達か。
私たちは母を見るので精一杯だ。
だから父は向こうに任せると言うことで私たちの意見は
一致している。

父には母と父と兄弟すべてが生きている。
母には肉親はいない。兄弟はもとよりいないし母、父は
もうとっくに他界している。
そう、母は一人なのだ。

私たちは父の家族と戦わなければならない。
ふっ。考えもしなかったよ、また戦いがあるなんてさ。

そう考えると母が帰ってきた意味がわかる気がします。
母も一緒になって戦うことを決めたそうだ。

母が倒れ、父も倒れる。
私には休息という時間がないようです。

父は麻痺によって会社は退社でしょう。
なんつーか酷といえば酷な運命ですよね、私たちって。

前が見えない。またそんな闇に落ちました。
あの子に光を求めたい。
けど、それは許されるのだろうか。
ただ、以前にもまして闇の度合いが高い今回。
光なしでは私は壊れてしまう気がします。

なんというか。。。普通じゃないですね、私ってさ。。

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